2006.06.27 Tue
やりなおし。 何度でもやりなおし。 できたらよし。 できなかったらやりなおし。 できるまでやる か どうかは別の問題。 やりたいから やる。 その繰り返し。 誰の評価もいらない(結果には興味がない)。 誰のためにもやらない(自分のためでもない)。 ただ何度でもやりなおすことのできるエネルギーを持つ。 けれどこれを「がんばる」とは決して言わない。 |
2006.06.26 Mon
文字だけで君に どれほどのことが届くだろう 明日になり私は また すべてが届かなかったことだけを確認する |
2006.06.25 Sun
姿勢をただす 振る舞いをただす 生活のリズムをただす 暮らしの細部をただして 生きざまをただす どんなに難しくても これからの私に 一番必要なこと |
2006.06.23 Fri
今年初めてのアサガオの花が咲いている ことに気付いたのは ようやく雨の上がった昼前のこと 重そうにしずくに濡れて 顔も上げられない 大輪ゆえ なお一層 含む水も多い 昨日の 終日叩き付けるような雨の中 密かにつぼみを色づかせ 夜明けを待ってその花びらをひもといたのだ けれど 開くほどに雨に打たれ しどけなく首を垂れる 頃合いを見計らって準備したのに 思うように受け入れてはもらえなかった のか 降りしきる雨に急かされて 熟したつぼみをこらえることができなかった のか おまえに 朝は来なかったね おまえはこれで終わるけれど おまえはこんな一日しか知らないけれど 空にも雨にも風にも光にも 本当はいろいろな顔があって もっと優しくおまえに触れたり もっと柔らかくおまえを包んだり もっとさりげなくおまえに寄り添うこともできたのだ けれど 空は決めたのだよ 雨も風も光も 今日はこうだと決めたのだ 誰も悪くない だから誰もおまえに言い訳をしない おまえも悪くない だからおまえは何も知らされずに朽ちる 一番最初に ひとりで咲いて よかったね 夕方 しおたれたアサガオの最後の仕事 種子を結ばぬという現実を これから独りで受け入れる |
2006.06.22 Thu
文字を憎んでいる わけではないが 文字はことばの仮の姿だと思っている 私の中に言葉が浮かぶとき、それはいつも文字ではなく音だ 直感的に選び 瞬時に反芻し 心地よい響きでないものに文字を与えることはない 文字を与えるのは記憶の補助のため 他者との共有は 本当は常に音声によりたいと思っている |
2006.06.21 Wed
浮上した言葉を 文字に起こし 改めて体の中に沈め 声にして再生する 繰り返し繰り返し 口にすることによって その世界に 純化して行く 少し休んで 今度は 瞬間的に その状態に 移行する 私が言葉になるのではなく 言葉自体が私になる瞬間を つかむ |
2006.06.20 Tue
がまんさせている と 知っている。 それでもなお がまんさせる。 がまんしていることに気付かないふりをする。 がまんしていることを知られていると 気付かせないために。 |
2006.06.20 Tue
なつかしい という言葉 そのままではではそぐわない 少し苦い味もして あなたのことは 心の中に 今も 私のこととして ある |
2006.06.16 Fri
失くしたことすら気付かなかったものが ひょっこり開けた引き出しの奥から見つかった(ような気分) てにとって たしかめて もういちど しまいこむ いまさら見つかっても何の役にも立たないし 何も変わらないし今までどおり必要ともしない(だろうか) ただここに あることで もうにどと なくせない |
2006.06.15 Thu
あなたに興味があるようでいて 私はそんな私に興味がある あなたを愛しているようでいて 私はそんな私を愛している あなたなしではいられないほど 私は私を満たしてやりたい あなたのためだと錯覚するほど 私は私のために尽くしたい あなたに何か与えるふりをして 私は多くのものを搾取する あなたを大切にするふりをして 私はいつも私を大切にする |
2006.06.15 Thu
大切なものを知らぬ間に失うことがある 大切だということに気付かずに失うことがある 大切だと分かっていながら失うことがある 大切なものを大切にし過ぎて失うことがある 大切なものをたゆみなく大切にし続けることができないことで 自分を責めている 君のいつものくせ |
2006.06.14 Wed
思い続けることは難しい 思わないことはもっと難しい |
2006.06.14 Wed
さよならを切り出すタイミングを計るのと同じ注意深さを持って いつもあなたのそばにいればよかったのかな 私たちはいつも無防備に出会ってしまう 別れる時の何百分の一ほどのエネルギーも準備しないままに |
2006.06.11 Sun
であうことで おもう おもうことで 言葉がうまれる この世に独りならきっと 私は言葉を必要としない 誰かと何かを間接的に共有するには 言葉ほどそれに適したものはない 人と人の間には常に言葉があり 言葉に満たされて多くのものを共有する 言葉で共有している限り 互いのテリトリーは浸食しない あなたと私の間に もっと 言葉を |
2006.06.11 Sun
昨夜、居間に体長二十センチほどの大ムカデ出現。 血が上った頭で瞬時に考えたが どこから入り込んだのか見当もつかない。 殺す覚悟ができぬまま 殺虫剤攻めにして戸棚に逃げ込んだところを ホウキとチリトリで捕獲し、庭に釈放。 発見から解決までの約十分間に見たもの。 殺生ガスを全身に浴びたムカデ その「百足」を使ってすばしっこく逃げるのだが 苦しみもがきつつの前進では 普段より蛇行のカーブがキツくなり せわしなく足は動くが 本人が思ったほど逃走距離は伸びないという事実。 昔、読んだ小説の一場面に 天井から降ってきたムカデがホーローの洗面器の中に落ち 脱出しようともがくのだが 滑ってどうにも上がれない姿に我が身を重ねる主人公がいたが 猛毒を持つ強い虫であればこそ こんなことで身動きとれぬ様が一層あわれなのだろう。 今朝 雨上がりの雑草を抜く という名目でムカデを探しに庭に出てみた。 いた。 庭の真ん中でこと切れぬまま朝を迎え 未だに黄色い腹を見せてもだえる姿は醜く陰惨で後味が悪い 一晩中、こうしていたのだ。 睨み合ってしまうともう身動き取れず とどめを刺してやることもできない。 私はこれから出掛けるが 昼をまわって帰宅してもムカデはきっとまだ生きている。 もしかしたら、夕刻まで生きている。 ほぼ確信に近いその予想が 私の休日を不穏に揺らす。 |
2006.06.10 Sat
どうかこの子には 具体的な水をください 抽象的な「水」でなく どうかこの人には 具体的な休日をください 観念的な「休日」でなく どうかこの老人には 具体的な杖をください 比喩的な「杖」でなく どうかこの私には 具体的な名前をください 象徴的な「名前」でなく |
2006.06.09 Fri
脱水だから点滴です 点滴液がてんてん落ちる 1秒より 1秒よりちょっと 1秒よりちょっと遅め 1秒よりちょっと遅めの速度 1秒よりちょっと遅めの速度でコドモ 1秒よりちょっと遅めの速度でコドモの体内 1秒よりちょっと遅めの速度でコドモの体内に入って行く 1秒よりちょっと遅めの速度でコドモの体内に入って行く生理食塩水 1秒よりちょっと遅めの速度でコドモの体内に入って行く生理食塩水がてんてん落ちる のが あららちょっと手を動かしただけで あらら止まってしまいました あららすみませーん止まっちゃったんですけど あららはいはいこのくらいかな 六十がらみの重量級の看護士さんが 太い指でチューブを調節する この指がさっき採血です 採血ですと言ってコドモの手の甲に コドモの手の甲に針を刺した 針を刺したいと思ってもコドモの血管は細い 血管は細いのでなかなか浮き出ない 浮き出ないのでペンペン叩いたり 叩いたり洗面器の熱湯に浸けたり 熱湯に浸けたりして針を刺してみた けど 刺してみたけど昨日うまく入った右手の甲の血管が今日はうまく入らずに仕方ないから 今度は左手をペンペン叩いたり(中略)したこの指がさっき採血です と言ってやっと刺した針から血が出なくてそれは脱水だから 注射器のピストンを引いても出なくてそれは脱水だから それでも出なくてもっと引いてそれは脱水だから 全然出なくて何度も引いてそれは脱水だから 何度引いても出なくてそれは脱水だから 何度も何度も何度も何度引いても 少したまった血液がカラッポ の注射器の中でブクブク と泡立つばかりで だからつまり それは脱水だからです |
2006.06.08 Thu
ひかり てらしなさい そのちからで そのまつすぐなはやさで あますところなくてらしなさい すべてのものにへだてなく ひかり すべてのものにはんしやして ひかり すべてのものをつらぬいて おもてもうらもなく なかもそともなく つよく もつと とおく なおひろく てらしなさい まばゆさになにもみえないときも めをとじればすべてはそこにある ひかり てらしなさい すべてのものからかげをうばいさり ただわたしのまぶたのうちに それとひとしいおおきさのかげをそだてるために |
2006.06.07 Wed
フロの水を捨てようと栓をあけた 流れて行く水音を聞きながら 洗濯ものを干そうとしていると 浴槽の中の排水音がいつもよりうるさ ふとのぞくと 残り少なくなった水の中に おびただしい魚がひしめきあ 小指ほどの雑魚から 30センチほどもある大物まで 徐々に下がって行く水位に慌てたよ みな鱗をきしませてもがき跳ねる 見れば流れに逆らっ まだ上がってこようとする魚の口 排水口を塞ぐ魚の尾の下に見え隠れしている これぜんぶ食べられる 誰にさばいてもらおうかと思 いよいよ少なくなった水が一段と音高く渦巻いて 排水口から流れ出て行く勢いに引かれて魚は 小さいものはあっとい これはどうかと思う太さの魚も頭から尾から一気に吸 見る間に一匹もいな 生臭い匂いと飛び散った鱗をフロ洗いのスポンジで流しながら 水の流れて行く先は海だから こんなことも起 |
2006.06.06 Tue
あらあらどうしました。 はいはい。 ああそうですか。いつからですか。 はい。 はいはい。 はーそうですか。熱は。 ないですか。これから出るかもしれませんね。 あら、お咳も出てますね。いつからですか。 はい。 ああそうですか。はい。 じゃモシモシしようかな。 はいこっち向いて。 あら上手ねー。 今度はあっち向いてね。はい。 はい上手にできました。 今度はあーん。 はいちょっと上向いてね。 はーい、はい。よろしい。 とっても上手にできました。 お母さん、熱さましの座薬ありますか。 そうですか。 じゃ飲み薬出しときます。 整腸剤と、ちょっとお咳のお薬もね。 水分はとれてますか。 ああそうですか。なら点滴はいいかな。 そうですね、おかゆね。 塩だけで、他にいろいろ入れないであげてください。 あと電解質の飲料なんか。 はい。あら。 あらそうですか。 じゃお白湯でいいですよ。 なるべく飲もうねー。 あ、えらいねー。 はい、じゃあお薬出しときますね。 ばいばい。 はーい。 |
2006.06.05 Mon
いいかげん早く食べなさい。 「はーい、ぱくぱくぱく、ごちそうさまでした……ってまだおわっとらんやろー!」 3歳児のノリつっこみ。 晩ご飯、何にしようか。 「僕、マカちゃんに聞いてくる。ねえマカちゃん、ステーキと焼き肉とどっちがいい?」 5歳児の選択肢。 |
2006.06.04 Sun
呼びかけた声が 容易くその耳に届くものではないと知っている 一生懸命が足りないのだと思っていた 届かないことが前提で私たちは言葉を掛け合っている ことに気付くまでは |
2006.06.03 Sat
声ならば こんなにたやすく電気信号に置き換えられる 置き換えられて何万キロを駆け抜けて 瞬時に君の耳元で再生される 私 |
2006.06.02 Fri
見落としが多い 取りこぼしも多い 言いそびれ 聞き逃し 掴み損ね やっと手に入れたわずかばかりの大切なことを 今度はどこかに置き忘れてしまう あげくのはてに口ばかり 何もしないで批評に批判 どこへも行かずに見てきたような嘘 よく考えずに出まかせ並べて日が暮れる 昨夜風呂場で コドモが初めて上手に蚊を叩いた ほめてやったけれど 叩きつぶされたあの虫の方が もの言わぬぶん 私より真摯に生きていたかもしれない |
2006.06.01 Thu
でんげんをいれるこんせんとはもういれてあるじょーんとおとがしてまたたきはじめるがめんにやがてたちあらわれるいくつかのさいんなどむしだむしはやくみたいのはこれこれここだとやじるしすべらせてコツとぼたんをたたくが「いんたーねっとにせつぞくしていません(早過ぎだ馬鹿)」いったんとりけしてひとこきゅうののちさいどちょうせんわけなくつながっていつもよんだことないなにかごちゃごちゃかいてあるのがざーっとひろがるのも虫だ蟲うえのほうにあるごほんのかたちをおしたらばいつもよくみるいろんなそれはもういろんなひとにおしえたかったりとてもひとにはおしえられなかったりするさいとのたいとるがまたざくざくとでてくるのだがこれを「お気に入り」なんていうなんかぷよぷよしたことばでくくってあるのがいつもきもちわるいといちいちおもうけどさいしょからそんなふうになっているのでしかたなくまいにちがまんしてつかっているこのまほうのはこにはとってもおせわになっているのだけどだけれどはこはまほうがつかえるかしれないけどつかっているわたしはまほうがつかえないものだからよくはこにまほうをかけられてたいせつなことばがどこかへいってしまってもそのまほうをとくじゅもんをしらないものだからきえてしまったことばをとりかえせないままじだんだをふむばかりではくやしいのでひがしのまほうつかいやみなみのまじょにたすけをもとめるのだがそれもまたこのまほうのはこをつかってだったりするのがなおさらくやしいというところは「背に腹は代えられぬ(ええやんかべつに)」ということにするのだちかごろわたしはよるのじゅうにじにはねるようにしているこれはけんこうじょうのりゆうですかしこ |
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