2007.02.27 Tue
家族のことと 仕事のことと あとひとつ |
2007.02.25 Sun
かしぐのだ視界 首が傾いているからだと思っていた 左首筋に たぶん空豆大の異物感 頭を立て直すと音がする(音ではなく感触がする) ((感触の振動が鼓膜に伝わり音がする))とき 見えているものが一瞬ゆらいで 見えるはずのないものがみえる 傾いた視界が垂直と平衡を希求する あまり 首を立て直す速度より一瞬はやく戻る その隙間に 空豆大の真実 |
2007.02.24 Sat
ゆっくりとほぐれ行く輪郭 拡散する身体 昇華する思考 けれどここにある |
2007.02.23 Fri
ハイ
オハヨーゴザイマス ハイ ア ドウモ ハイ ハイ ハー ソーデスカ ハイ ハイ ソーデスカ ハイ ハイ エー ソーデスネー ソレハ ハイ ソーナンデスガ ハイ ハイ ハー ソーデスカ ウーン ア イエイエ トンデモナイデス エエ ハイ ハイ ハイ アリガトウゴザイマス ハイ ウーン ハイ ハイ スミマセン ハイ ハイ ハイ シツレイシマシタ ハイ ハイ ドウモ ハイ ハーイ |
2007.02.22 Thu
みみをふさいできいて めをとじたままでみて くちびるふれるだけで どっちがほんとうだか あててみてごらんよ! |
2007.02.22 Thu
耳の 中に 何か いる 小さな 声で 話す そいつ 何を 言って いるのか 聞こえ ない から だまって 耳を 澄ます けれど だれも いない 部屋の 中も あんがい さわがしい もので 冷蔵庫が かすかに うなったり 洗濯機が 終わって ピーピーと 鳴ったり おもてに 自動車が 止まったと 思ったら ヤクルトの 配達の おばさんが インターホン 鳴らしたり だから 玄関に 出て お金 払う だけじゃ なくて 少し 話したり してる うちに 家の 中で 電話が 鳴って いたり して 慌てて 部屋に 戻る ときに あとで よそへ 持って 行こうと 思って 用意 していた お裾分けの うどん ビニールに 入れたのを わずかに 踏んだ 気がして だけど 中を 見るのは 怖いから そのまま 放置 して 急いで 電話に 出たら 急に 耳の 中の そいつが 突然 おおきな 声で わらい はじめて あなたの 声が 聞き取れない 聞き取れない 聞き取れない 聞き取れない から もっと おおきな 声でと 言ったら 耳の なかの そいつが もっと おおきな 声で 笑う 笑う 笑う 笑う やめて うるさい 黙れと 叫ぶ 私の 声は 口もとの 受話器から 吸い込まれて 遠く 遠くの あなたに 届き 耳の なかの やつには どうしても とどかない こいつを 黙らせる ために 言って あなたが 言って 私に 言って 私の 耳に やめろ うるさい 黙れと 言って その ために 私は さっき から あなたの 耳に 聞かせ たくも ない うたを なんども なんども なんども なんども なんども なんども なんども 繰り返し 歌い 続ける |
2007.02.22 Thu
私の見なかった夕日を 君は見ていた 同じとき 君の見ない どれほどのものを 私は見ることができたのだろう |
2007.02.21 Wed
だれかといるときは自分のことばかり考える ひとりでいるときはきみのことばかり考える |
2007.02.21 Wed
出て行ったきりの半身がいまだに帰ってこない これまでもちょくちょくこういうことはあったが今度は不在が長い 帰ってくればいつも薄々どこへ行っていたか分かったものだが こんなに長く帰ってこないと少し不安になる 今朝から手当り次第に友人知人に連絡を取って もしや私がそちらへ行きはしていないかと尋ねているが どこからもそれらしい返事はなく途方に暮れている こうなると残す場所はあとひとつだが それを尋ねてそこにもいないという返事をもらうのが怖くて 夜になってから何度も携帯電話を握ったり置いたりしている 顔を合わせる人にきづかれぬよう体裁を整えるために 失った半身ぶん密度の薄まった私は ここ数日春めいてきた日差しの中を 傍目におかしいほど厚着して過ごしている 着込んだ上着とセーターの中の体は冷えきって 色の透けた顔や手を隠すため帽子と手袋を深めに着けて 子どもの幼稚園の迎えにも出掛けてみたが 帰り道手をつないだ子どもは手袋越しの私の手の感触に 何か感じるものがあったらしく しきりに帽子の中の表情を確かめる素振りを見せた 部屋の中ではさほど目立たない気がして幾分くつろぐが 子どもをフロに入れているときふとめまいがして 身をささえようと伸ばした手が風呂の壁を通り抜け肘で止まった 一瞬のことだったので子どもたちには気づかれなかったようだが 迫って来る壁の距離感と思いがけず宙を掻いた掌の頼りない感覚が恐ろしく ひとりになった今も時おり手を握ってここにあることを確かめてしまう このまま半身が帰ってこなかったら 密度の薄い私は密度の薄い頭で考える 考えるだけの力が残っているうちにはっきりさせておくべきだ 私の半分がどこにいるのか何をしているのかいつ帰って来るのか このままどんどん薄まって携帯のボタンも押せなくなってしまったら もう確かめようもない ワタシハ ソコニ イマスカ アナタノ モトニ イマスカ 傍らの携帯から鳴るはずのない着信音が聞こえ(る、気がする) あなたのかすれた声が私についての詳細を伝え(る、かもしれない) 受話器を通って帰ってきた私の半身があなたについての詳細を私に伝え(た) |
2007.02.19 Mon
マカ「こんにちは。たぬきギターです。ぽんぽんぽん、ジャンジャンジャン。」 イセ「わぁ、ぼくもいれて。」 マカ「うんええよ。」 イセ「ぼく、ギター。」 マカ「マカちゃんたぬき。ぽんぽんぽん。」 イセ「ジャンジャンジャン。」 マカ「ぽんぽんぽん。」 イセ「ジャンジャンジャン。」 マカ「ぽんぽぽぽん。」 イセ「ジャンジャジャジャン。」 マカ「ぽぽぽんぽん。」 イセ「ジャジャジャンジャン。」…… |
2007.02.19 Mon
とおいところでおなじときをいきるだれともくらべられないたったひとりのたいせつな あなたにだしたてがみのなんばいもださずにいるてがみがあることをやはりうまくつた えられずにいますかけばかくほどうそになることばのむこうにかくせばかくすほどあら わになるほんとうがあなたにはみえているにちがいないみえてはいてもみせていないつ もりのわたしをきづかうあなたはきづかぬふりをするにちがいないこうしてわたしたち はこれからもげんじつのきょりよりとおくそれでいてときにほとんどへだてなくまじわ りけれどまたいつかめをみあわせるときもたがいのひとみになにもよみとらぬようちゅ ういぶかくほほえみをかわすのでしょうかたさきがふれあうときもそのあいだにうすい くうきのまくをはさみこみいきがかかるときもそのなかにわずかにかぜをまぎれこませ てことばかわすときはなにかのはなしやだれかのはなしばかりえらびだしあなたがわた しのすべてにならぬようわたしがあなたのいちぶにならぬようきをつけてみじかいとき をたがいへのおもいでいっぱいにみたしてすごすのでしょうださずにいるてがみはすて られもせずいつまでもここにのこりときおりあなたにとどくてがみのかずをはるかにこ えてこのへやをうめてゆくだれにもみえないてがみにうもれてわたしはこえのかぎりに なんどもほんとうをさけぶあついてがみのかべにかこまれてわたしのこえはだれにもき こえないどこへもとどかぬてがみのなかのどこにもとどかぬほんとうはいつまでもわた しひとりのものだあなたとわかちあえないものをほかのだれかとわかちあうひつような どありはしないたったひとりのたいせつなあなたをおもうときはいままでもこれからも わたしはいつもたったひとりです |
2007.02.18 Sun
電話したい
でも しない。 |
2007.02.17 Sat
セイギョ・フノウ・ナ・カラダ・ニ・ヤドル・セイギョ・フノウ・ナ・ココロ。 |
2007.02.16 Fri
夕食後の遊び・お店屋さんごっこ イセ「いらっしゃい、いらっしゃーい! おいしいよー、やすいよー。 へい いらっしゃい! おかあさん、ちゅうもんのしな、できたよ。」 注文……? 何ができたの? イセ「はいどうぞ、くつしたどん。」 いつの間に脱いどったんじゃ! 隣で箱の中から一生懸命青いブロックだけ選んで皿に盛る娘。 マカちゃんは何作ってるの? マカ「あおごはん。」 ……。 |
2007.02.14 Wed
耳鳴りがする 耳鳴りの向こうで君の声がする ……タ……ダッタ……タ……ダッタ…… 君の言葉を聞き取るために澄ました耳 に高まる耳鳴りに遮られて ねじれて行く会話 ねじれて行く理解 目の端に映る君はあちらを向いたまま ……タ……ダッタ……タ……ダッタ…… 過去形で話し続ける君に いつも現在形で答える私 おかしいのは話の内容 ではなくて 時制の不一致なのだが 耳鳴りが邪魔して やはりところどころ聞き逃すのと 聞き逃したことを聞き返さない私と 片っ端から過去になって行くできごとを確認する作業に熱中している君と 仕事の多いのは圧倒的に君で 私はいつも今しかないから ちょっと待ってにも応えられず 休む暇なく現れるすべてを ただのひとつも取りこぼさぬよう隣に座る君に手渡すことに 細心の注意を払うばかり 気づいている 君に手渡したぶんだけ現れる新しい今 君ではない 反対隣にいていつも私に今を与える誰か 耳鳴りはいつも そちらの耳から始まり 君の声を聞き取ろうとするのを妨げる 耳を塞ぐとなおのこと君の声は遠くなり 目の奥は高い周波数に満たされる ……タ……ダッタ……タ……ダッタ……(もう少し大きな声で)……タ……ダッタ……タ……ダッタ……(はっきり口を開けて)……タ……ダッタ……タ……ダッタ……(こちらを向いて話してくれたら)……タ……ダッタ……タ……ダッタ……(君の言葉が分かるのに)……タ……ダッタ……タ……ダッタ……タ……ダッタ……タ……ダッタ…… 刻まれる過去形のリズムは繰り返しこの骨に響き メロディーのような耳鳴りが体液にさざ波を立てる ふたつの音に共鳴する私は どちらを向くこともできないで ただ目の前の今を見つめる 見えている君はすぐそばにいるのにいつまでもわからない 見えない誰かはずっと私の中にいていつまでもはなれない |
2007.02.12 Mon
ひとりの時間を見計らって はいもしもしどなたですかもしもしもしもしだれだろ せっかく電話をかけてくれたのに もしもしあれきれちゃったまちがいでんわかな ぼくだよと囁く君の声に私は記憶がない なにかようがあるならまたかかるだろう きっとあんまりたくさんの人と電話をしたから ほっとけほっとけとおもいながら 頭の中のメモリーが自動的に整理されてしまったんだ けはいをさぐるいきづかいに 大事なのはあなたが誰かということじゃなくて なにかおもいだしそうなきもして 何度私に電話してくれた人かということ おいたじゅわきをしんけんにみつめたり もちろん何を話したかってことも へやにもどるときちょっとふりかえってみたり 少しは二人をつなぐけれど かべごしにみみそばだててまたかかるのをまっている 君に会いたい のだと思う 会ったこともない 君に 声が聞きたい のだと思う 聞いたこともない 声を |
2007.02.12 Mon
ドンナニ 遠ク ハナレルトキモ ドンナニ 強ク ダキアフトキモ アナタ ト ワタシ ノ アイダニハ イツカ ウシナハレル約束ダケガ ムスバレテイル |
2007.02.10 Sat
さんかくのつみきはすてきだけれど つんでしまうともう そのうえにはなにものせられない しかくいつみきをただつんでみる ちゃんとつまないとたおれてしまう みためはつまらないけれど たかくたかくひたすらつめば きっとみんながいきをのむ つんでいるときのしんけんなゆびさきや みのたけをこえてのびあがるつまさきが できあがったとうのかたちより ずっとちからづよく ずっとうつくしい |
2007.02.08 Thu
君を待つ。 やって来る。 間もなく私は あの頃の 私と 出会う。 |
2007.02.04 Sun
口をついて出そうになった言葉を思わずかみ殺した 一撃で死んでしまった言葉の遺体が渇いた口の中に残り この三日間 ものを言うたび舌の根にまとわりつく 人目をはばかって やっと口の中からつまみ出し 今夜は こいつのお弔い |
2007.02.03 Sat
風が強い オニハーソトー フクハーウチー 本殿でおはらいをうけ かしこまる子どもたち 豆やら菓子やらをたくさん入れた ひと袋ずつの福を大事そうに抱え 境内にしつらえられた 投台の上に登る 大人の腰の高さまである囲いの中 紺の帽子のてっぺんたちがうろうろ やがてかけ声とともに たくさんの小さな掌が 握りしめた光を放つ オニハーソトー フクハーウチー 群がる人々 諸手を挙げて 子どもたちの投げる福を奪い合う オニハーソトー フクハーウチー なりたい なりたい 幸せになりたい タリナイ タリナイ マダタリナイ オニハーソトー フクハーウチー 背伸びをした子どもの目が 帽子のつばと囲いの隙間から 全世界の亡者を見下ろす |
2007.02.03 Sat
マカ「これはイチゴのかいじゅうなんで。 ここからイチゴのこうせんがびーってでるんで。」 イセ「イチゴやけど、どくがはいっとんで。」 マカ「こっちはパイナップルのかいじゅうなんで。 パイナップルのこうせんがびーって、でるんで。」 イセ「どっちもどくがはいっとんで。 やから、こうせんにあたったら、しぬんで。」 マカ「そうで。」 |
2007.02.02 Fri
夢の中で 私は 折り紙のようにたたまれる 半分に もう半分に また半分に もう半分に たたまれて たたまれて 指先ほどの大きさになり 誰かのポケットの底 暗く暖かい場所で もう一度 眠る 子どものかけた目覚まし時計が 一瞬で私を広げ 慌ただしく朝が始まるが 家族みんなを送り出したあと カーテンを閉めた部屋の中 私はひとり 折り目の痕を確かめる |
2007.02.02 Fri
その隙間から君の声が逃げないように 受話器を耳に強く押し当てる そのまま反対の耳から出て行かないように 右手でしっかり塞ぐ 君の声に 満たされる うかつに口を開いて 君の声をこぼさぬように ただ あいづちだけをうつ |
2007.02.01 Thu
君の名前が わたしの中に もどかしい思い出を 探り当てる 後ろ姿 白い 首筋 届かない と 思って いた 長い手紙の 返事が 今 手 の 中 に |
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